無職、南米ペルーへ挑む!

22歳新卒、夢を追いかけて南米上陸!パワフル奮闘記誕生!

アマゾンの部族村をいきなり訪問!~怖い、暗い夜~<ペルー>

今年の春は風や雨がすごく強いですね、Kです。後半少し愚痴多いです。

 

前回

無事受け入れが承諾され、昼間は村周辺の下調べや川遊びをしました。夕方のスコールが止み、夕食を済ませいざ夜の調査に出動!

プカルパ前編の動画はこちら↓

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ジャングルは危険がいっぱい

調査にあたって村に出された条件は一つ。それは「ガイドをつけること」。ガイドと言っても村人の中から一人、森のことをよく知る人についてきてもらうのだが結構なおじいちゃんで少し心配であった。仮眠をとった後、夜の7時におじいちゃんガイドと合流。ライフル銃を持っていた。

行きのボートで海賊対策として船長たちが銃を持っていたことを思い出してほしい。ジャングル地帯は動物以外にも危険が潜んでいるので、銃を見ることは全く珍しくはないのだ。

ジャングルの王者

一般的にジャングルの危険を想像するとアナコンダ、ワニ、毒蜘蛛、ピラニア辺りが有名だが、余程運が悪くない限りこれらによって死ぬことはないと思う。それよりも一番注意すべきなのは「ジャガー」だ。いやいや、そんなジャガーなんかに遭遇することはないでしょう!とペルーに来た当初は疑っていたが虫ハンター活動をしているうちに観光地化されていないジャングルの恐ろしさを学んだのであった。

ペルーではジャガー食物連鎖の頂点に君臨している。クスコの孤児院で叔父さんがジャガーに食べられたという子供にも出会ったこともある。現地の人の話を聞いてもやはり一番最初に名前が挙がるのがこの動物だ。何が怖いって遭遇率がそこまで低くないことだ。警戒心が少なく、どう猛な獣。もし今後読者の中でジャングルに行く方がいれば現地に暮らす人々から最大限に情報を引き出して注意してほしい。

もうひとつの王者

しばらく歩いたのち、木々が生い茂る森を見つけたので入ることに。今回の目的はヘラクレスやゾウカブトなどのビッグな甲虫なので湿気や木材があるこの場所はなかなか期待できる場所であった。おじいちゃんガイドが先頭で何度か止まっては険しい顔で銃をかまえるのでその度にドキドキした。残念ながらお目当てのものは見つからず、小さな甲虫などをD男はちまちま集めていた。途中休憩には持参した夕食のツナ缶とクラッカーを食べた。ツナの匂いに誘われてたくさん虫が集まってきた。

中でも不愉快だったのは「蚊」だ。蚊の集まりは黒い雲のように完全に目でとらえることができた。羽音を立てながら私たちに食らいつく。蚊対策に風通しの悪いレインコートを我慢してこの蒸し暑い夜を歩いてきたが、見事に惨敗。バチバチッと刺される音が聞こえるほど私たちは身体中噛まれた。日本の蚊と違い私はこの蚊に刺されると歩く度に激痛が走るほど腫れあがってしまう。ちなみに中心街へ戻ったときには抗生物質を飲まなければならないほどアレルギー症状がでていた。もう二度と我慢しない。

怒り

日中も猛暑の中歩き続け、夜も蒸し暑い中歩き続け、私は疲労困憊していた。時刻は23時、もう帰りたかった。通常虫取りは翌朝の4時くらいまでするが、今回のように日中も活動したときは例外だ。履きなれない長靴で靴擦れもしていた。とどめをさしたのはD男が日本から持参した強力な虫よけスプレーをセーブし始めた時。再び蚊の黒雲に遭遇し、もう一度貸してくれとお願いしたが残りの滞在日数分が足りなくなることを理由に断られた。その瞬間私は森を出ると言った。外で待つから終わったら出て来いと。エンリケは私に同行した。

帰っちゃうか!

足が悲鳴をあげていたので座り込んでしばらく目をつぶった。ジャングルの夜は賑やかで虫や鳥の声がそこら中から聞こえる。エンリケが「もうこのまま帰ろう。」と言いました。向こうにはガイドがついてるし大丈夫だからもう帰ろうと。せめて一言声かけたほうがいいんじゃないかと言ったら「大丈夫」とだけ言って私を引っ張り起こして歩き始めた。

今思うと大丈夫じゃないのは私たちの方で、護衛もなしに見知らぬ土地をひたすら歩き続けるのは危険行為だった。帰り道、誰かの足音が聞こえたかもしれないと止まっては隠れたり、村はまだ遠いのに光が見えたり(D男が設置したトラップだった)とにかく神経を使った。水も底つき、何度も立ち止まってはもうこれ以上歩けないと痛みとのどの渇きにほろりと泣いた。おそらくこの夜は人生のしんどいランキングに入るだろう。

ケンカ別れ

その夜汗と泥で汚いまま板のベッドで寝る。もうゴキブリなんてどうでもいい。疲れたから足だけマッサージしてとエンリケに言われた時にはまた怒ったことを思い出す。翌朝、7時に出発するボートに合わせてすっきり目が覚めた。クリスチャンはぎりぎりまで寝ている。先に帰ったことに誰も文句は言わなかったし、言えなかったと思う。昨日の調査はすっかりハズレに終わったのだ。誰もがこりゃ望みはないと割り切って帰りたかったと思う、おじいちゃんガイドも不慣れな夜更かしに船をこいでいた。クリスチャン曰く、私たちが帰ったことに気づき、帰ろうとD男に促したらしい。だがD男は一人でどんどん進む、先に帰っていいよとも言ったらしいがそうもいかないのでクリスチャンとおじいちゃんは腰を掛けて待機していたそう。

この話を聞いて驚いた。間違っても一人で森へ入ってはいけない。D男の欲望だけが突っ走っているように聞こえた。今回は何もなかったけれどこういう行動を起こす人は今後必ず痛い目に合う。クリスチャンはこの件をきっかけにD男とは口を利かなくなり帰りも空港で一度会っただけでそれっきりD男と顔合わすことはなかった。

おわり

プカルパの市街に戻ってせめてヘラクレスの標本を探し回ったけれどどれも傷が入っていたり捕まえた場所がわからなかったりでD男のお眼鏡にはかなわなかった。私があーだこーだいう中エンリケとD男はなんだかんだ仲が良く、帰国間際に別れの挨拶もしていた。なんというかD男は不器用な男だなと感じた。

後半少々毒がきつかったかもしれない、、、読んでくれた方はありがとう(笑)

プカルパ編は以上!後編のお話はこちら~↓

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